建築コストの動向レポート|2026年1月(冬版)
公開日:2026年3月5日
【止まらない建築コストの上昇】
「建築費が超高騰時代へ突入すると見込まれる具体的な理由とは」や「高騰が止まらない設備工事費の現状と今後の動向」で紹介したように、国内の建設市場では人手不足による労務単価の高騰や世界的なインフレや円安による資材価格の高騰で2026年に入っても建築コストの高騰が続いています。

そこで本レポートでは、全国における非木造建物の建築コスト指数(アーキブック指数)に基づき、2020年から現在までの建築コストの動向について、どの程度上昇しているのかを解説していきます。
- 1. 本レポートで対象とする建築コストについて
- 2. 直接工事費はどの程度上昇しているのか?
- 3. 建築工事費はどの程度上昇しているのか?
- 4. 設備工事費はどの程度上昇しているのか?
- □ 建築コスト指数の一般公開について
- □ 建築コスト指数に関する調査票・ヒアリングご協力のお願い
1. 本レポートで対象とする建築コストについて
一般に、建築コストは建築費(建築プライス)を構成する「特定の建築工事における請負業者(建設業者)の工事原価」を指します。(下図参照)
本レポートでは、建築コストを構成する直接工事費(建築工事費、設備工事費)と、その内訳である建築工事費(躯体工事費、仕上工事費)と設備工事費(電気設備工事費、衛生設備工事費、空調設備工事費、昇降機設備工事費)の観点から、全国における非木造建物を対象として四半期ベースの指数で公開します。(下表参照)
| 対象 | 内容 | ||
| 1. 地域 | 全国 | ||
| 2. 建物用途・構造 | 非木造建物 | ||
| 3. 項目 | 直接工事費 | 建築工事費 | 躯体工事費 |
| 仕上工事費 | |||
| 設備工事費 | 電気設備工事費 | ||
| 衛生設備工事費 | |||
| 空調設備工事費 | |||
| 昇降機設備工事費 | |||
| 4. 期間 | 2020年からの四半期指数 | ||
2. 直接工事費はどの程度上昇しているのか?
この5年で直接工事費は63.1%上昇している
2020年12月から2025年12月までの全国における直接工事費の水準を見てみると、この5年間で63.1%上昇していることが分かります。また2022年12月からの3年間でも39.8%と約4割上昇していることが読み取れます。(下図参照)
3. 建築工事費はどの程度上昇しているのか?
5年で建築工事費は4割以上上昇
次に全国における建築工事費の水準を見てみると、2020年12月から2025年12月までの5年間で42.0%上昇していることが読み取れます。また2022年12月から3年間では25.1%上昇していることが読み取れます。(下図参照)
続いて、建築工事費を構成する躯体工事費と仕上工事費の水準について、現在までにどの程度上昇しているのかを見ていきます。
1) 躯体(くたい)工事費の推移
全国における躯体工事費の水準は、2020年12月から2025年12月までの5年間で45.3%上昇しています。また、2022年12月から2025年12月まで、この3年間で23.1%と2割以上上昇していることが読み取れます。(下図参照)
2) 仕上工事費の推移
次に、全国における仕上工事費の水準について見てみると、2020年12月から2025年12月までに5年間で38.1%上昇しています。また、2022年12月から2025年12月までの3年間で27.7%と躯体工事費と同様に2割以上上昇していることが分かります。(下図参照)
このように、全国における建築工事費の水準は、躯体工事費と仕上工事費で共に継続的な上昇傾向にあり、2023年に入ってからも2割以上上昇しています。
4. 設備工事費はどの程度上昇しているのか?
この5年で設備工事費は112.2%上昇
まず、2020年12月から2025年12月までの全国における設備工事費全体の水準を見てみると、この5年間で112.2%と2倍以上上昇していることが分かります。また、2022年12月から2025年12月までの3年間で71.2%上昇していることが読み取れます。(下図参照)
続いて、設備工事費を構成する電気、衛生、空調、昇降機の各設備工事費の水準について、現在までにどの程度上昇しているのかを見ていきます。
1) 電気設備工事費の推移
全国における電気設備工事費の水準は2020年12月から2025年12月までの5年間で94.8%上昇しています。また、2022年12月から2025年12月まで、この3年間で61.3%と6割以上上昇していることが読み取れます。(下図参照)
2)衛生設備工事費の推移
次に、全国における衛生設備工事費の水準について見てみると、2020年12月から2025年12月までに100.2%と2倍以上上昇しています。さらに、電気設備工事費や空調設備工事費の水準と同様に、2022年12月から2025年12月の3年間での上昇率が62.4%上昇していることが分かります。(下図参照)
3) 空調設備工事費の推移
続いて、全国における空調設備工事費の水準について見てみると、2020年12月から2025年12月までの5年間で145.1%と2.4倍以上上昇しています。また、電気設備工事費と同様に、2023年に入ってからの上昇が顕著で、2022年12月から2025年12月までの3年間で95.2%上昇していることが読み取れます。(下図参照)
4) 昇降機設備工事費の推移
最後に、全国における昇降機設備工事費の水準について見てみると、2020年12月から2025年12月までの5年間で133.4%と2.3倍以上上昇しています。また他の設備工事費とは異なり、2022年12月から2024年12月までの2年間で78.5%上昇している一方、2025年に入ってからは横ばい傾向で推移していることが分かります。(下図参照)
このように、全国における設備工事費の水準は、電気、空調、衛生の各設備工事で継続的な上昇傾向にあり、これらの水準は特に2023年に入ってから大きく上昇していることが分かります。
以上のように、現在までの建築コストの動向について、直接工事費と、その内訳である建築工事費と設備工事費の観点からどの程度上昇しているのかについて解説しました。

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